日系アメリカ人三世に聞いたアイデンティティー!国籍と「何人」の概念

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外山周です!

「日系アメリカ人」について聞いたことがありますか?

普通に日本に生きていたら、その存在すら意識することがないですよね。

私は17歳の時、初めてホームステイした先のママが「日系アメリカ人三世」でしたが、それでもその存在についてよく分からず、ピンとこないままでした。

学校では習いませんが、知っておくと日米の歴史的背景が分かるし、移民国家であるアメリカの「国籍」や「ルーツ」の捉え方を知ることができます。

日本にいたら自分の「ルーツ」を意識することはあまりありませんが、海外では当然のように、皆それぞれのルーツをしっかり意識して生きています。

もし海外に出ることがあるならば、自分のルーツや母国について、しっかり語れるようになっておきたいところです。

今日は、実際に私がホストママから聞いたルーツの捉え方を書こうと思います!

 

ママは「アメリカ人」

Japanese American の意味

まずママは自分のアイデンティティーについて、毎回こんな風に話してくれます。

ママ
私はアメリカ人だから、日本語も話せないしずっとアメリカに住んでいくけど、日本のミドルネームがないことは残念だなーと思うの。
ママ
日系人って、結構アメリカ風のファーストネームと、日本風のミドルネームを持ってることが多いのよ。それで日系人の友達のことは、私はいつも日本風の名前で呼ぶの。私の両親世代までは、アメリカ人の友達と話す時はファーストネームを使って、日系人の家族や友達と話す時はミドルネームを使っていたのよ。
ママ
でも私には日本風の名前はない。やっぱり私はジャパニーズだから、日本風の名前も欲しかったなって思うんだ。

・・・。

うーんなるほど。

ママは、はっきりと「自分はアメリカ人だ」と言います。

しかし同時に「私はジャパニーズ」とも言う。

日系アメリカ人三世のママにとって、アメリカ人であることと「ジャパニーズ」であることは、どうやら両立できることのようです。

となると「Japanese American」の訳は、

・Japanese – 日本の
・American – アメリカ人

となり、最初の「Japanese」は、「日本にルーツのある」という程度の意味であると言えそうです。

 

ママの「市民権」への考え方

そんなホストママは「日系アメリカ人三世」

つまり「移民一世」だった祖父母が日本からアメリカに渡り、そこで両親世代(二世)が生まれ、さらにその子供世代として生まれたのがママ、ということになります。

当然日本語は話せないし、日本の文化も殆ど知りません。

そんなママが、「市民権」について話してくれました。

ママ
アメリカにずっと住んでいてこれからもずっと住む人には、移民も含めて市民権をあげたらいいと思うのよね。貧しくて行き場のない人には、行政が手を差し伸べて対策をしたらいい。キリスト教の教会は炊き出しとかしてるけど、布教のためじゃなくて、純粋な助けであるべきだと思うの。
ママ
だってここは自由だし、歴史的にも世界中の人種が集まる国でしょ。いろんな民族の思想がミックスされるのはとてもパワフルなことだし、そうやってアメリカは発展してきたんだもの。
ママ
まぁ、私自身が日本にルーツのある日系アメリカ人だからこそこういう思想になったんだ、ってことは認めるわ。

これまた深いですよね。

移民に市民権を与えるということは、アメリカ国籍を与えて「アメリカ人」にするということです。

現在はアメリカにも保守的な思想があって、メキシコとの国境に壁を作るなんて話も聞きますが、ママは移民に対して非常に寛容な思想のようです。

ついでに「日本も移民をたくさん入れて思想をミックスしたらいいよ!」と言ってくるので、それについては「その前にまず日本独自の文化と思想を復興させた方がいいと思うのよー」と返しておきました_φ(・_・

 

ママの子供は「なに人」になるのか?

という訳でママは「Japanese American」ですが、パパは「American American」です。

1800年代にはアメリカに住んでいた、白人の子孫にあたります。

2人には子供がいませんが、もし子供が生まれていたら、その子供は「なに人」になるのだろうね?という話をしました。

ママ
私たちに子供がいたら、その子はもちろん「アメリカ人」だけど、私のように純粋な「Japanese American」とは言えないわけよね。じゃあ何かなってなるよね。お母さんがJapanese Americanなのよとしか言えないよね。

・・・とまた深い。

結局のところ、どこの国の文化や言葉にアイデンティティーを持つかで、「なに人」というのは変わってくるのかもしれません。

ルーツは日本、でも国籍はアメリカで、文化的なアイデンティティーもアメリカ。

ただそれだけの話ですよね。

その愛着のあるアイデンティティーが国籍と一致しないことがあるからややこしくなるだけで、本当はいたってシンプルな話なのかもしれません。

ママとのツーショット。

 

日本人は “Japanese Japanese”

ママは「アメリカ人」です。

純粋な日系人の祖父母と両親を持ちながら、なぜか見た目は全く日本人に見えません。

第一言語によって顔の筋肉の発達が違うから…なんて言われますが、言語以外にも文化や思想、それによって培われる性格など色んな要素があって、それが見た目に現れるのでしょう。

ママが「Japanese American」ならば、普通に日本人として日本に住んでいる私たちは「Japanese Japanese」です。

日本にルーツを持ち、日本語を母国語として、日本国籍がある。

これこそが「日本人」の定義であると、私たち日本人は当然のように考えます。

さらもう少し条件をきつくして、

日本にルーツを持ち、日本語を母国語として、日本国籍があり、実際に日本に住み、日本の文化を継承していて、日本のことが好き。

くらいにしても、あまり違和感がないかもしれません。

それくらい「日本人」という言葉は強力で、英語の「Japanese」では表しきれない意味を含んでいます。

そんな日本人である私たちは、日本に住む限り、あまり自分たちのルーツを意識する機会がありません。

これは私たちにとって当たり前のことですが、世界的に見たらむしろ稀なことであり、海外の人から見たら「なんで?」と思われるようなことなのです。

 

海外に出るときは、自分のルーツを語れるようになっておくのがいいですね!

そのルーツを考えるきっかけとして、日系アメリカ人の歴史など見てみるのはいかがでしょうか。

 

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強HSP+共感型エンパスであり、うつ病&自殺未遂サバイバー。

「女性がより輝く」「エンパスがより自分らしく生きる」をモットーに、持って生まれた少しスピな視力を活かして活動しています。