山崎豊子「二つの祖国」ドラマの感想&気になる原作との違い

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二つの祖国、ドラマ終了しましたー!!原作ファンの私も、テレビにかじりついて見ていました。見てみたらとても良かったです。

原作よりライトで、でもきちんと抑えてるところは抑えてて、歴史好きな原作ファンの私でも、本当に本当に一部のシーンを覗き、殆ど満足して楽しみました!

東京裁判をはっきりと「勝者が敗者を裁いた一方的なもの」と言及し、原爆を「市民を殺した酷い兵器」としてGHQが隠蔽する様まで描き切ったことは、本当にすごいことだと思います。

しかも多くの人が見る地上波のテレビ放送で、忖度せずここまではっきりやるなんて。今の日本でこの放送がなされたこと自体、日本が「戦後」を脱し始めたということでしょう。

今日は原作とドラマの違いと、ドラマに描き切れていない「二つの祖国」の魅力について書いてみたいと思います!

    

ドラマの見所はキャストの名演!

まずドラマの最大の見所は、何と言ってもキャストの皆さんの名演です!キャスト一覧はこちらの動画をどうぞ。

英語も相当に頑張って練習された様子が伝わってきたし(ムロツヨシ以外)、皆さんとても好演されていました。あそこまで英語を上達させるのは大変だったと思います。

特にケーン役の小栗旬と、ナギコ役の多部未華子の切ない感じもよく出ていたし、小説にはない「ナギコ、会いたい」という台詞には、めっちゃ気持ちが揺さぶられました。

イサム(ケーンの弟で一番アメリカっぽい二世)役の俳優さんも役にぴったりで、日本語を喋ってる時も子音が英語っぽかったり、身振り手振りがアメリカっぽかったり、二世らしくてとても良かったです(イサムを演じた新田真剣佑は、調べてみたらアメリカ生まれなんだとか)。

     

でも納得できないキャスティングも・・・

・チャーリー田宮(ムロツヨシ)
・東條英機(ビートたけし)
・大川周明(笑福亭鶴瓶)

この3名だけはどーーーしても納得ができない。

ビートたけしと笑福亭鶴瓶は大人の事情でまぁ仕方ないとしても(嫌だけど)、ムロツヨシだけは絶対チャーリーのイメージじゃないと思うんですよね。

原作でのチャーリー田宮は愛に飢えていて、人との接し方を知らず、狡猾で頭のキレる男です。その生い立ち故に上昇志向が強く、最初からアメリカのみに忠誠を尽くしています。

つまり日本語より英語が堪能な筈なのに、ドラマのチャーリー田宮は誰よりも英語が下手で(ムロツヨシごめん)、英語のシーンのたびに「・・・。」となります。

百歩譲って英語は置いといても、チャーリーはもっと嫌味でチャラチャラした見た目でいて欲しい。

まぁでもチャーリー田宮は本当は愛がない訳じゃないので、その辺の愛と恐れが滲み出た感じはよく出てたかもしれません。ムロツヨシの登場シーンは色んな意味で見所です。

   

日本語の描写は原作より少なめ

原作のイメージとちょっと違うけどいいなーと思ったのは、何といっても女性陣ですね。

ナギコ(多部未華子)
ヒロコ(池田エライザ)
エミー(仲里依紗)

この3人は私の原作イメージとは少しズレてたんですけど、女優さんの名演でどんどん映像にのめり込み、すぐに「これはこれでいいじゃん!」と思いました。

主人公の妻エミーは小説では幼く身勝手に描かれているけれど、ドラマではそれにピュアさというか、ケーンのこと大好きなのね、というのがきちんと見え隠れしています。だから三角関係にも深みが増してます。

一方で、原作に描かれているケーンとナギコの「日本語愛」がごっそり省かれていたのは残念でした。

ケーンとナギコが惹かれ合ったのは、周りがアメリカ寄りか日本寄りのどちらかに傾く中、2人だけは両国の間で揺れ動く感性を持っていたからなんですよ。

ケーンやナギコが理解できる「ふるさと」の歌詞も、他の人はその情緒が理解できない。日本の景色の静的な美しさも、ケーンとナギコにしか共有できない。そんな2人だから惹かれ合ってしまったわけです。

原作にあったこれらのシーンは、ドラマでは一切省かれています。時間的にも内容的にも表現が難しいのだと思いますが、個人的に一番好きなシーンなので残念でした。

   

ドラマは全体が「綺麗すぎる」

それから、収容所が「綺麗すぎる」のも気になりましたね。

収容所のキャンプはそれはそれは劣悪で、エミー達は収容直後に馬用のシャワーを使わせられるシーンがあります。そこは当然ドラマではカット。収容所の小屋の中も、カーテンが上質な布なのは違和感です。

終戦直後の広島の学校でも、教室に書道の展示が貼ってあったりして。そんな紙が余るほどの物資なんてあるか!と、ちょっと気になってしまいました(歴史好き)。

  

ドラマはとても良かった

「二つの祖国」再ドラマ化、「めっちゃ良かった!」と書くつもりが、いつの間にか気になった点ばかり書いてしまいましたが(笑)、今回の映像化は本当にとても良かったと思います!

東京裁判を「勝者が敗者を裁いた一方的なもの」と言及したこと、原爆をGHQが隠蔽する様を描いたこと、それを地上波で放送したこと、全てに意味があったと思います。

国ってなんなのか
感情ってなんなのか
正義や正解ってなんなのか

ただの歴史物に留まらず、人間の感情が思考や倫理を凌駕することまで描き切った作品で、それをライトにリアルに映像化したこのドラマは本当に素晴らしい。

平和になり、感情を大切にすることが許される時代になった今だからこそ、多くの人の胸を打っていくでしょう。ドラマ版と小説合わせて、これからも折に触れて見ていきたいと思います。

  

*小説のあらすじと感想はこちら

    

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外山 周

外山 周

TOYAMA, Chika
幼い頃から思っていることを言えずに育ち、アメリカの大学をうつ病で中退。帰国後に就職して英語スクールの立ち上げで成功するも、燃え尽きて退職。その経験から心理セラピストを目指すが、その過程で婚約者と破局。そんな中でセラピーを極め、見えないものに敏感なことを活かして「癒える」と「言える」に寄り添うセッションを開始。恋愛セラピーが好評。
心理セッションと英語トレーニングを組み合わせた、独自の英語サポートも準備中。
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