メジャーデビューした大谷翔平選手、ホームランを連続してすごい活躍を見せていますね!
大谷選手の最初のホームランの瞬間、本家アメリカの実況で「オオタニサーン!」と言われ、名前が繰り返し呼ばれています。
⏬動画はこちら(20秒あたり)
「Back fly! オオタニサーン!」
「SHOHEI OTANI hits his first major league HOMERUN!!」
テンションの上がる実況です。
外国で日本人の名前が繰り返し呼ばれると嬉しいですね〜!
さて、この「オオタニサーン」。
ファンの間では「大谷さん」なのか「Otani slam!(大谷打った!)」なのかという論争が繰り広げられていました。
コメント欄にいただいた情報によると、テレビ朝日の取材で「ホームランに敬意を表してさん付けしてる」と分かったそうです(4/12加筆)!
と言いつつ(笑)、今日はなぜ元々「サン」が「Slam」ではないのか?という意見が出たのかについて、発音の論理から書いてみたいと思います!
ポイントは / l / と / m /
slamを日本語の発音のまま表現すると、「スラム」になります。
・/ l / → ラ行と同じ?
・/ m / → マ行と同じ?
このように日本人は、元々ある日本語の音に当てはめて考えがちですが、実はそもそもの音が全く違います。
/ l / は「ぅ」に近い!
英語の/ l /の音は、実はむしろ「ぅ」に近いものです。次のような手順で音を出してみてください。
② その時の舌の位置を意識しておく
③ 舌を同じ位置につけて「ぅ」の音を付け加える感じで、「ぅら、ぅり、ぅる、ぅれ、ぅろ」と言ってみる
この時の「ぅ」の音こそが、実は / l / の音なのです。
日本語の「ラ」っぽい音を出すためには、実は相当強く舌を弾く必要があるのですね。
ついでに英語は省エネ大好きな言語なので、舌を弾かないまま発音してしまった、結果「ぁ」という音に聞こえる…ということが起こります。
/ m / は「ん」に近い!
続いて/ m /の音も、実はむしろ「ん」に近いです。これも次のような手順で試してみましょう。
② その時に唇がパクパク動くことを意識してみる
③ 口を閉じた時に「ん」の音を付け加えて、「んま、んみ、んむ、んめ、んも」と言ってみる
この口を閉じたままの「ん」の音が、/m/の音です。
やってみると分かりますが、実際に「んまっ!」と言おうとすると、口周りを忙しく動かすことになります。
英語は省エネ大好きなので、特に m が最後にくる単語は口を閉じて終わり、ということがよくあります。
そうなると、私たち日本人の耳には「ん」にしか聞こえなくなるわけです。
slam = スァン
・/ l / = ぅ
・/m/ = ん
これをまとめると、「slam」は「スァン」に近くなります。
なので大谷翔平の実況の「Otani slam!(大谷打ったー!)」も、日本人の耳には「オオタニサーン!」と聞こえるのですね!
まとめ:英語は省エネ
音の論理は日本では学ぶ機会がほとんどありませんが、英語の音と日本語の音は、根本的に全く違います。
「外国語の音を聞くとき、人間は無意識に母国語の音に変換して聞いている」ということが、すでに脳科学的に明らかになっているそうです。
ポイントは、英語は省エネの音が大好きだということ。
この動画のタイトルにもなっている「SHOHEI OTANI hits his first major league HOMERUN!」も、途中の「hits his」は非常に聞き辛いと思います。
言ってないんじゃないの?と思うレベルです(笑)。
⏬再度動画を確認したい方はどうぞ(24秒あたり)
英語は省エネ!
聞き取れるようになるには発音の論理を少し学ぶことと、楽しく場数を踏むのがポイントです!
Let’s enjoy!
※アイキャッチの写真は最新のニュースからお借りしました!