私がメール鑑定する時に愛用しているデッキ「ミスティカルシャーマンオラクルカード」を紹介します!
64枚から成るこのデッキは、1つのストーリーとして繋がっています。
この1〜64までの一連の流れをRPG風勇者の旅路に例えながら、カードの背景と、実際のリーディングではどんな時に出るカードなのかについて、1枚ずつ紹介していきます!
今日は「48. 黒魔術師」です!
ストーリー
長老に「旅立たなくても良いのですか?」と聞かれた勇者は、未だかつて経験したことのない強い嫌悪感を抱きました。
長老は気楽でいいよな、
生まれた時から同じ村に住んで、
旅の辛さも知らずに生きてきて、
何の取り柄もないくせに長老と崇められて!
そんな気持ちが湧き上がって抑えられないのです。
「そんなこと言える立場なんですか」
「僕が来なければ村は滅んでましたよ」
「祭りだって復活させられなかったじゃないですか」
「村一つ守ることもできなかったくせに・・・!」
勇者は我慢できずに言い放ちました。
長老を傷つけてやりたくて仕方がなかったのです。
・・・そして勇者の魔力が一気に変わり、かつての優しく芯のある雰囲気が消えて、強く攻撃的な気を放ち始めました。
その気になれば長老を消すことなど容易く、村一つを消すことすらできるほどの魔力が湧き上がってくるのを感じ、勇者はその力に酔いしれました。
こうして勇者は癒しの力を失い、黒魔術師へと転じたのです。
カードの意味と背景
黒魔術師は闇のパワーの象徴です。
人の心の破壊的側面、
傷つけてやりたいと思う気持ち、
もっと欲しいという欠乏感&渇望、
妬み、恨み、憎しみなどのネガティブ感情。
そういった闇のパワーを象徴するのですが、カードの黒魔術師の顔あたりには虹が走っていますね。
虹は幸せ予告の象徴であるように、実は闇のパワーには「自分の力でなんとかできる!」という万能感が付いてきたりするものです。この万能感ゆえに、私たちは一度闇のパワーに呑まれると抜け出しづらくなります。
・・・ガイドブックではことさら「人を傷つけない」ということが強調されますが、私は黒魔術師を「愛と絶望の魔術師」と捉えます。
誰よりも愛と平和を求め、本来それを実現できる力を持ちながら、今までの人生で運悪く愛を実感することができず、深く絶望し、救いを求めて特定の誰かに執着してしまった時に、人は黒魔術に転じます。
(例:スターウォーズのアナキンスカイウォーカー、アーサー王伝説の魔女モルガーナ、鬼滅の刃の猗窩座とかは「黒魔術師」の要素が強いです。)
根底に愛があるからこそ、黒魔術師に転じるのです。
黒魔術を悪いものとして追放しようとするのではなく、「全て愛と絶望から生まれた気持ちだったよね」という方向で統合することをお勧めしています。
このカードを引くのはこんな時
このカードは愛と絶望の大きな人によく出てくる1枚です。
私のリーディングで「黒魔術師」が出てくる時は、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つは特定の誰かに対して執着がある場合。
もう1つは自分に闇のパワーがあることにそもそも気付けておらず、「そんなこと思ったら駄目だ」とむしろ強く抑圧しまくっている場合です。
・・・このカードを引く人は、潜在的に強い力を持ち合わせている場合が多いです。力が強い上に絶望が深いと、嘆きもまた多くの人に影響を与えるものとなりがちです。
人はエネルギーで影響し合って生きているもの。
分かりやすく嫉妬や攻撃のエネルギーを向けなくても、嘆きや絶望、ちょっと闇属性に転じた愛情表現などが、思った以上の影響を他人に与えてしまうことがあるものです。
このカードが出る時は、人を傷つけないことを意識すると言うよりも、「自分の絶望感が思った以上に人に重苦しい影響を与えることがある」と覚えておくと良いでしょう。
そして自分の闇パワーとよく向き合って、
絶望を感じきって、
自分の愛の大きさを自覚しましょう✨
ちなみに正位置で出る時は「気づいた方がいいよ」という警告、逆位置で出る時は「もう気づいたみたいだから大丈夫だよ」という励まし&慰め的なニュアンスになります。
次回:49. 魂の回復
最初から読む:1. いにしえ人
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