外山周です。
先日、祖父の軍歴証明書を取り寄せました。
ネットで色々下調べをしましたが、なかなか全体像が分からず手探り状態でした。
あなたもお祖父さんの軍歴を照会する方法が分からず、「ハードルが高いな」と感じていませんか?
手順のポイントを抑えるだけで、全体の進め方がぐっと分かりやすくなります!
戸籍さえ揃えれば取り寄せは簡単なので、ぜひ記事を読んで最初の一歩にしてください。
目次
1.軍歴証明書とは
2.取り寄せ方の手順と必要事項
3.まとめ
1.軍歴証明書とは
「軍歴証明書」とは、旧陸海軍に所属していた人の軍歴(入隊から除隊まで)が記載された証明書のことです。
軍歴証明書(ぐんれきしょうめいしょ)とは、かつて戦争に従軍した軍人並びに軍属、従軍文官が招集から除隊までの任免、配属、賞罰、傷病、その他進級や昇給等の処遇について記録した文書のことである。
Wikipediaより
「証明書」と言っても実際には何も証明するものではなく、当時の公式記録が国によって保管されていて、そのコピーを申請することになります。具体的には 兵籍簿 や 部隊行動略歴 です。
当時の書類なので直筆で書いてありますが、自治体によってはそれをタイプし直して送ってくれることもあるようです。
2.取り寄せ方の手順と必要事項
実際に軍歴証明書を取り寄せる手順は、大きく分けて3つです。これさえ押さえておけば簡単です。
① どの自治体に問い合わせるのかを確認
② 必要書類を揃えて送付する
③ 送付した後にお金を払う
①どの自治体に問い合わせるのかを確認
① 海軍軍人 → 厚生労働省
② 陸軍軍人 → 各都道府県の社会福祉担当部署
③ 陸軍文官 → 厚生労働省
この中で②の陸軍軍人の軍歴証明書を取り寄せる時は、軍人の本籍が終戦時にあった都道府県に申請をします。
引っ越しを繰り返している方の場合は、少し注意が必要です。
各都道府県の問い合わせは、こちらの厚生労働省のサイトから一覧をダウンロードできます。
厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093051.html
② 必要書類を揃えて送付する
申請する自治体が分かったら、次に必要な書類3つを揃えていきます。
a) 申請書
b) 申請者自身の身分証明書2つ
c) 戸籍書類(軍人と申請者の関係が分かるもの)
私が申請したのは新潟県の福祉担当課ですが、おそらくどの自治体でも大差はないはずなので、基本的にこの3点が必要だと捉えておけばよいでしょう。
a) 申請書
自治体のホームページからダウンロードしてプリントアウトします。
b) 申請者自身の身分証明証2つ
自分の証明証を2つコピーして送ります。免許証、保険証、パスポートなど。(私は免許証とパスポートをコピーして送りました。)
c) 戸籍書類
1番ややこしいのはこの戸籍書類ですが、この2つだけ取っておけば間違いありません。
・旧軍人の除籍謄本(亡くなっている場合)
・申請者の戸籍謄本
戸籍書類は、申請者と旧軍人の関係を証明するために必要なのだということを知っておきましょう。
特に三親等(孫)である場合には、
・二親等(父)の戸籍に「父:〇〇」と軍人(祖父)の名前が入っていること
・三親等(孫)の戸籍に「父:××」と二親等(父)の名前が入っていること
の2点で、軍人と三親等であることを証明します。
なので父が存命の場合には戸籍謄本だけで良い場合もありますが、旧軍人の死亡年月日が必要とされている自治体もあるようなので、両方取っておけば安心です。
申請者が結婚等で改名している場合は、それも証明する必要があります。
分からなければ本籍のある役所に行って、「祖父と三親等であることを証明したいのですが」と言って相談してみましょう。
※除籍謄本を取ったら「出生地」を確認!
除籍謄本を取ると「出生地」が分かります。
この出生地が、終戦時に本籍があった場所と同じである可能性がとても高いです。
自治体に問い合わせる時に役に立つことがあるので、除籍謄本は最初に取ってしまうことをお勧めします。
※お勧めの問い合わせ方法
実際にやってみてお勧めしたい手順はこちらです。
① 除籍謄本と戸籍謄本を取る
② 除籍謄本で「出生地」を確認する
③ 申請する都道府県の社会福祉担当課に問い合わせる
私が問い合わせた新潟県は、あらかじめ書類が残っているかどうかを電話口で確認してくれました。
入隊時期が終戦間際であったり、実は終戦時の本籍が別の県にある場合には書類が残っていないことがあります。
その場合は書類をすべて送っても無駄になってしまうので、そういったことを避けるために、事前に電話で確認をしてもらえるのだそうです。
この確認のために伝えたのは、
・祖父の生年月日
・祖父の名前(漢字)
・終戦時の本籍
の3点でした。
本籍は、除籍謄本の「出生地」と同じでした。
③ 書類を送付した後の手順
ここまで揃えて送付したら、後はもう一息です。
申請書を受け付けたという「通知書」が送られてきます。
そこに必要な実費と納入方法が書かれているので、その通りに少額為替を購入して返送すれば、軍歴証明書が手元に届きます。
かかった金額:2296円
新潟まで戸籍を取りに行った交通費を除き、書留代やコピー代、戸籍の申請代を含めて2296円でした。
かかった期間:13日
最初の申請書類を送ったのが12月29日、実際に軍歴証明書が手元に届いたのが1月11日でした。
年末年始と成人の日の3連休を挟んで13日間で届いたので、通常時であればもっと短い期間ですみそうです。
しかし自治体によっては当時の手書きの公式記録をタイプし直してくれるところもあり、その場合は時間がかかるそうです。
3.まとめ
いかがでしたか?
ハードルを下げるコツは戸籍の手配にあります。この難関さえ突破してしまえばあとは楽なので、少しでも迷っているならぜひ取り寄せてみてください。
手順をまとめ
① どの自治体に問い合わせるのかを確認
② 除籍謄本、戸籍謄本を手配する
③除籍謄本で旧軍人の「出生地」を確認し、自治体に軍歴証明書が残っているかどうかを問い合わせる
④申請書をプリントアウトして記入する
⑤申請者の身分証明書のコピーを用意する
⑥送付
⑦代金を少額為替で納入する
感想
軍歴証明が実際手元に届いてみると、当時の手書きの公式記録から重みを感じることができます。
実際に取り寄せる過程で除籍謄本を取り、そこから改めて祖父の両親の名前や祖父の出生地を知れたことも良かったです。
自分のルーツが一部明らかになっていくのは嬉しいです。
家系の繋がりが希薄になった現代だからこそ、また大きく社会が変わろうとしている今だからこそ、私たち孫世代の手元に軍歴証明書が届くことは、意味のあることなのだと思いました。
無事あなたの手元に軍歴証明書が届きますように!