外山周です!
グレイテスト・ショーマンに魅せられて、何度も映画館に足を運んでいます(笑)。
前回は字幕についての記事を書きました。
→ グレイテスト・ショーマン「This Is Me」の字幕が秀逸すぎる
作中に出てくるキャラクターはみんな魅力的ですが、私が個人的に1番感情移入してしまうのは、闇の天才オペラ歌手、ジェニー・リンドです!!
レベッカ・ファガーソン(Rebecca Ferguson)という、スウェーデンの女優さんが演じています。
彼女が歌う「Never Enough」は、とても奥が深い1曲です。
今日は私が思うジェニー・リンドの魅力について書いてみたいと思います!
圧巻の「Never Enough」
ジェニー・リンドが歌う「Never Enough」の元の歌詞はこうです。
All the shine of a thousand spotlights
たくさんのスポットライトの光もAll the stars we steal from the night sky
夜空から盗んだ星の光もWill never be enough
物足りないNever be enough
どこかむなしいだけTowers of gold are still too little
金の塔もまだ小さすぎるThese hands could hold the world but it’ll
この手に世界をつかんでもNever be enough
満ち足りないのNever be enough
どこかむなしいだけFor me
私には
ジェニー・リンドは婚外子として生まれ、家族の恥と蔑まれて育ったので、自分の歌でスカラを何度も満員にして喝采を浴びても、それが「Never Enough」だと感じています。
きらびやかな世界に身を置き、上流階級の人からの賞賛を受けてもなお、「本当はここに相応しくない」という思いが消えないのだという台詞があります。
しかし一方で自分の力に自信を持っていて、その結果がこの鬼気迫るような歌です。
「どやぁ!!」
「どんな光でも足りないわ!」
「もっと!もっと光を浴びせなさいよ!」
という気迫が伝わってくるようです。
一度折れたらとことん弱い
ジェニー・リンドは光を求めています。
だから同じような「どやぁ!」を求めるP.T.バーナムに引き寄せられ、一緒に公演を回ることになりました。
バーナムの承認と、感謝と、愛情を求めて、ジェニーは自分の歌を使って世界の喝采を得ようとしたのです。
それをバーナムにもたらせば、感謝と愛情が得られる筈でした。
「頑張るから愛してね!」っていうやつです。
しかしバーナムはジェニーの真意に気付いた瞬間、なんと「あとは1人でやってね!俺帰るわ!」と言って、家族の元に帰ってしまいます。
その結果、ジェニーの歌はこんなに弱弱しくなってしまいました・・・。
同じ歌詞なのに、この違いです。
「こんな光じゃ全然足りないわ!どやぁ!」
だったはずが、
「どんな光でもだめなのよ・・・どうしたらいいの」
に変わってしまいました。
鬼気迫るほどの外側の強さがありながら、ポキッと折れたらすごーく弱い、鎧の中は弱い子なのです。
これを見事に演じ分けた女優さんがすごい。
最後までプライドは失わない
ジェニーのすごいところは、バーナムにきっちり仕返しをするところです。
すがったりせず、弱々しく泣くこともなく、最後まで「バカにすんな!」とばかりにジェニーを蔑ろにしたツケを支払わせました。
自分の名声と引き換えにしてまで。
強いのに弱い。
弱いのに強い。
本当はどっちなんだかサッパリ分かりません。
が、私はジェニー・リンドのそんなアンバランスさと、最後まで頑張ったプライドが大好きです。
幸せになって欲しいなぁ・・・。
どのキャラクターも魅力的
というわけで、私が思うジェニー・リンドの魅力を語ってみました。
「頑張るから愛して!」で頑張る
愛が得られなかったらポッキリ折れてしまう
折れてもプライドだけは失わない
この一連の流れに私はかなり共感ができてしまうのですが(笑)、あなたはどうですか??
ちなみにジェニーの次に共感するのはP.T.バーナムで、不十分感から突っ走って闇落ちする気持ちがよく分かります。
でもジェニーを1人で公演に置いてきて、それでもジェニーが歌い続けてくれると信じられる神経は全く理解できません(笑)。
1番謎を感じるのはバーナムの奥さんと、フィリップ・カーライルでしょうか・・・なんであんなにまっすぐに人を愛せるのかが、今の私にはまだちょっとよく分かりません。
グレイテスト・ショーマン、歌もストーリーも、あと字幕も最高です!
加えてそれぞれのキャラクターの心情にも思いを馳せながら、2回目を観てみてはいかがでしょうか。
見るたびに新しい発見がありそうです!
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