ディズニーのピノキオを改めて見てみました!
「この作品めっちゃ怖いな」が率直な感想です。
・狂気のストロンボリ
・ロバになる子供たち
・クジラの「モンストロ」
などなど描写がなんというか、暴力的です。
よく考えたら鼻が伸びるシーンも体罰的だなーと思ったり。
でもこれは、ピノキオが制作された時代が軍国主義の時代だったことに関係がありそうです。
ピノキオがアメリカで公開されたのは1940年。1945年に戦争が終わり、日本で公開されたのが1952年です。戦争が当たり前に身近だった時代、まぁこのくらいの暴力描写は「普通の範疇」だったのですね。
ということで、現代に見ると「おいおいおい」と感じる、ピノキオのトラウマシーンをまとめてみました!
ピノキオのトラウマ描写の数々
ストロンボリ
まずはこの人、狂気のストロンボリ。人形小屋の親方ですね。ピノキオを「薪にしちまうぞ!」と脅したり、実際薪にされてる人形が映ったりします。
ちなみに英語版で聞くと、英語に強い訛り(南の方かな?)があって、怒ると別の言語を交えて捲し立てるので、より狂気を感じます。我を失ってる感じがよく表れてます。
全体的に人形一座のシーンは怖いです。怖いというより不気味。きっと当時は、こんな誘拐事件もまだ普通にあった時代なのかもしれません。
ロバになる子供たち
続いてお馴染みのロバのシーン!
子供たちが騙されて「夢の島」にやって来て、「好き勝手やりな!」と言われて喜んでいたら、実はロバにして金儲けするための島だった。というこのシーン。
・無法地帯のようなシーン
・建物を破壊するシーン
・「ママ!」と叫びながら変身していく子供
・変身後に訳が分からず大暴れする様子
さらに「働かないやつはロバ(jackass)になっちまうのさ!」という悪党の台詞。怖いです。トラウマになるのでは??
クジラのモンストロ
ピノキオを探していたゼベットじいさんは、ついには旅に出て大クジラ(ちなみに名前はモンストロ)に飲み込まれてしまいます。
くしゃみをさせて外に逃れ、クジラに追いかけられるシーンは迫力満点。そしてピノキオはゼペットじいさんを庇って、岩に叩きつけられてしまったのでした・・・。
ピノキオの怖さと優しさ
ピノキオの何が怖いかって、容赦がないところだと思うんですよね。
だってロバになった子供たちの救済措置は一切なしですよ。現代なら何かしら「改心したら大丈夫」な要素があるんじゃないでしょうか。
悪党ストロンボリも、「夢の島」の悪人おじさんも、特に裁かれないままです。こちらも現代なら捕まるか、悪人にも家族があった!みたいな背景が描かれるんじゃないですかね。
容赦がない上、映像も怖いし心理的にも怖い。
でも、厳しくも優しい愛情がある大人もきちんと描かれていますね。
・ロバになりかけたピノキオに「何も聞くまい」と言って、ただ抱きしめたゼベットじいさん。
・厳しくて嘘をついたら鼻を伸ばすけど、実はいつでも見守って助けを出してくれる女神様。
・「勝手にしろ」と言いながら、最後までピノキオを見捨てなかったジミニ―クリケット。
分かりやすい悪が捕まることも、道を外した人間が救済されることもないけど、でもきちんと愛情を注いでくれる大人もたくさんいる。
80年前はそんな世界だったのかもしれませんね。
余談:幻の日本語吹き替え
とても個人的なことですが、途中で次の映像やセリフが頭に浮かんだり、ストーリーを一瞬で思い出したりして「?」と思う瞬間がありました。
身内に聞いてみたところ、私は小さい頃にピノキオを何度も見ていたそうです。しかも英語と日本語両方で(こんなトラウマ作品をなぜ・・・)。
それで「吹き替えの声が違う?」と感じたので調べてみたところ、なんと日本語吹き替え版は少なくとも三種類(!)存在しているようです。
・今DVDに収録されているもの
・昔のビデオに収録されていたもの
・その他の吹き替えDVD
この3種類のうち、今DVDに収録されているのは1983年に公開されたもので、昔のビデオ版とは声が違っているらしいのですね。
*ちなみに今のDVDのジミニ―役は肝付兼太さん(旧ドラえもんのスネ夫役の人)です。
私が見ていたのは昔のビデオ版のようなのですが、今は入手困難なようでとても残念です。この歌の声は多分同じです!