私がメール鑑定する時に愛用しているデッキ「ミスティカルシャーマンオラクルカード」を紹介します!
64枚から成るこのデッキは、1つのストーリーとして繋がっています。
この1〜64までの一連の流れをRPG風勇者の旅路に例えながら、カードの背景と、実際のリーディングではどんな時に出るカードなのかについて、1枚ずつ紹介していきます!
今日は「27. 狩人」です!
ストーリー
勇者はハチドリの助言通り斜面を滑り落ちて下山をしました。着いた場所はまだ木々が密集して生えていて、まだ中腹あたりのように感じられました。
「ここはどの辺りなのだろうか・・・」と思いながら歩いていると、弓矢を持った狩人が勇者の前に現れました。音もなく突然姿を見せたので、勇者は驚いて仰け反りました。
「・・・足音がうるさい」
と狩人は低い声で言いました。
「良いか。無闇に歩き回るな。
よく地面を見て、命を感じながら動け。
そうすればその日するべきことが分かる。
あとはその通りに体を動かせば良いだけだ。」
狩人は厳かな声で勇者にそう言って、足音もなく、しかし確かに行き先を知っている風な迷いない足取りで去って行ってしまいました。
不思議と勇者の目には、狩人の隣に大きな動物の影がいて守護しているように見えました。
勇者はしばらく目をこすった後、狩人が行った通り土に目を凝らし、風の音をよーく聞いてみました。だんだんと感覚が研ぎ澄まされて、次に何をするべきか分かるような気がして来ました。
山は命に溢れている。
無闇に動いて他の命を脅かしてはだめ。
じきに日が暮れるから動くのをやめて、
体を休める場所を借りて、
命を少しいただいて休む。
・・・一度それが分かってしまえば、さっきまで迷っていたことの方が不思議に感じました。
カードの意味と背景
ネイティブアメリカンの狩人は、決して必要以上の狩りはしなかったと言われています。
部族を生かすのに必要な分だけの命をいただき、
精霊に許しを請い、
祈りを捧げ、
血の一滴から骨にいたるまで、
余すところなく大切にいただいたのだそうです。
必要ない分まで獲ることはないし、無駄に捨てることもありません。必要以上を求めて別の森に遠征することもありません。獲れるまで粘ることもありません。一頭獲れば十分な時もあるし、手ぶらで帰っても大丈夫な時もあるのです。
全ては自然の調和の中、
聖霊の導きのもと生かされている。
それを知っていたネイティブアメリカンは、狩猟で獲物を追う際、その動物と一体化をすることができたとも言われます。
例えば足跡1つから、その足跡を残したのはどんな動物で、いつ、何の目的でそこを通り、どこへ向かったのか、その目に映った景色や感覚はどんなだったのかを読むことができた、というのですね。
感覚全てを使って狩りを行いますが、一方で部族の命を守るために必要な食べ物を調達する役割を担う人でもあります。
見えないものと繋がる力、
感覚を開いて信じる力、
地上で命を守っていく力。
そのバランスを体現した存在であると言えますね。
このカードを引くのはこんな時
このカードが出る時は、「自分にとってちょうどいい幸せ」を見つめ直す時期に差し掛かっていることが多いようです。
正位置:自分にちょうどいい幸せの実現
逆位置:必要以上を求め過ぎる
という感じで捉えます。滅多に出ない1枚ですが、出る時はやや逆位置的なニュアンスを含んだ出方をしやすいです。
正位置で出る時は、社会的な一般論や価値観に惑わされず、「私にはこのくらいが幸せ♡」とちゃんと知ることができていて、またその実現に向かって順調に進んでいる時であると言えるでしょう。そのまま直感と感覚に委ねて、目の前のことを一つずつやっていくと良いでしょう。
逆位置で出る時は、「求め過ぎてない?」「必要以上を欲しがってない?」「執着してない?」と警告されています。社会的な成功が欲しくて自分らしくないことをしていたり、お金のためにしんどい仕事を引き受けていたり、自分の感覚やワクワクが分からなくなっているかもしれません。
逆位置で出る時は、改めて目の前の選択肢を整理して、「これって私と私の大切な人の命を守るために必要だろうか?」と考え直してみると良いでしょう。
・・・狩人は良い意味でプライドが高い、孤高の存在です。傷ついても簡単にそれを人に悟らせない強さを持ち合わせていて、部族の命を守ることに誇りを持っています。
その誇りはそのままに、くれぐれも必要以上を求め過ぎないように、大切なことを見失わないよう自分を律すると良いでしょう。
直感と意思を信じ、目に見えないものと調和し、その上で現実を創り出したなら、それを無駄なく余すことなく享受し、感謝をする。
このカードを引く人はそれができる人であり、「誇りを持って地上を邁進できる人」です。
次回:28. ジャガー
最初から読む:1. いにしえ人
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