今日は、朝ゆっくり寝てブランチを楽しんだ後、私のたっての希望で「全米日系人博物館」に行ってきた。
今アメリカにいる日系アメリカ人は、1900年代初旬にアメリカに渡った日本人の子孫で、人口の0.4%を占めている。
移民一世は農工業に従事して、経済に少なからず影響を与えたのに、一方で「帰化不能外国人」とされて市民権を得られず、迫害された。
戦争の激化した1942年、アメリカ生まれの日系二世達はアメリカの市民権を持っていたにも関わらず、一世とともに強制収容所での生活を強いられた。
強制収容所のキャンプは周りを有刺鉄線で囲われていて、銃を持った兵士が常に見張っていた。
砂漠の真ん中のそのキャンプで、文化と言葉を奪い、親世代と子供世代を分けて「教育」を施すことで、日系人の「アメリカ人化」を進めた。
二世達はアメリカを母国と呼び、アメリカに忠誠を持って、「アメリカ人」として従軍し、親の祖国である日本と戦わなくてはならなかった。
…この歴史を、いったいどれだけの人が知っているんだろうか。
歴史的に日本は悪いことをしたとか、先の大戦に対する深い反省とか、色んなことが日本国内で言われているけど、日本には強制収容所跡なんてないことや、戦中に日本がアジアに学校や鉄道を作った史実があることを、知っているだろうか。
日系アメリカ人は、今は3世~5世がメインの世代になっている。
それでもみんな、日本由来の名字を捨てずにいる。そして英語のファーストネームと、日本語のミドルネームを持っているそうだ。(例えば「Rachel Chika Toyama」みたいな。この場合、トヤマ レイチェル が本名になるということ)
アメリカの市民権を持っていて、日本語をひと言も話せなくても、それでも場合によっては自分たちを「ジャパニーズ」と呼ぶ。
でも、もし1世が最初からアメリカに受け入れられて、迫害がなかったとしたら、その後100年に渡る日本への誇りを、彼らに植え付けることができただろうか。
もし1世が市民権を持つことが認められていて、改名を認められていたら、今頃3~5世達は、日本の名字ではなくアメリカっぽい名字を名乗って、完全にアメリカ人として生きている可能性もあるんじゃないだろうか。
…そんな答えの出ないことをぐるぐる考えながら、5時間くらい博物館にいた。
現代の政策が100年後の未来に影響を与える。そう考えると、今から100年後を考えて生きたいと思うし、100年前に何があったのかをもっと知りたいと思う。
100年後に、日本がまだ「日本」として残っていること、古事記や神道がその1000年以上の歴史とともに残っていることを、強く願ってしまうのだ。
ちなみに今日のブランチの話題は、日本の「甘え」という概念についてと、日本の自殺率についてだった。あと今後のアメリカについても少し。これも帰国したらゆっくり書きまーす。明日は東京に帰ります。