TOEICのリーディングができない意外な理由2つ

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TOEICを受け続けていると、リスニングのスコアは上がってきたけど、とにかくリーディングが全然伸びないという状況に陥ることがあります。

これは言語習得という視点から見れば、「見てすぐ理解できる、血肉化した知識量が少ないため」という説明が出来ますし、「受容知識を増やし処理力を上げる」という対策が取られます。

言い換えれば、「受容知識が増えればスコアは上がる」と言えます。

そのため、問題を解きまくって傾向になれたり、音読したり、大量の単語に触れたりといった、言語習得のみに焦点を絞った方法が用いられるのが普通です。

ですが、リーディングのスコアが伸びない理由は、実は他にもあります。今日はその他の理由について、

1.ディスレクシア(読み書き障害)
2.心理的な壁

の2つに分けて書きたいと思います。

 

1.ディスレクシア(読み書き障害)

「ディスレクシア」という言葉があります。

これは「読字障害」のことで、目で文字を見て読んで理解することが、生まれつき苦手なことを言います。文字がゆがんで見えたり、逆さ文字に見えたりしていると言われています。

▼参考画像(品川裕香著「怠けてなんかない」より)

生まれつき文字がこんな風に見えていたら、読むのがとても大変ですね。

 

日本語は読めるけど、英語は読めない:「音」の与え方が違う

ディスレクシアは言語によって表れ方が違い、日本語よりも英語の方が、ディスレクシアが現れやすいのです。

英語のディスレクシアは、日本語の2倍以上とも言われています。

それは、脳内で文字に音を当てはめるプロセスが、日本語の方がずっと簡単だからです。

例えば平仮名で「あさ」と書けば、逆から読んでも「さあ」となるように、1つの文字ごとに決まった音を与えられているのが日本語です。

でも英語の「morning」を逆にして「gninrom」と書いた時、「モーニング」から「グンニーモ」にはなりません。敢えて読むなら「グニンロム」でしょうか。

このように、英語では複数のアルファベットの繋がりで音が変わってしまい、文字に「音」を与えることが、日本語よりもずっと難しいのです。

「音」を与えられていない文字情報は、楔形文字を解読するようなもので、言語として認識するハードルが高くなります。

 

現状の打開策は「フォニックス」のみ

日本語は読めるのに英語は読めないという人は、程度の差こそあれ多くおられます。

フォニックスという英語の音のルールから根本的に学ぶことが、大きな助けとなるでしょう。

ディスレクシアについては研究が進み、日本とアメリカの両国で、それぞれの言語におけるトレーニング方法が色々と考案されていますが、残念ながら「外国語としての英語」のトレーニング方法までは、まだ手が回っていないようです。

 

2.心理的な壁

心理的な側面から見ると、「心の在り方」が整っていないために、スコアを伸ばしきれていないことはよくあります。

 

潜在意識では「英語をやりたい」と思っていない

人間の意識は、95%が潜在意識で、自分で認知できないと言われています。

残りの5%が顕在意識、意志の力です。

「TOEICで良いスコアを取らなきゃいけない」「英語が出来たらなんかかっこいい」と頭で考えている時は、それが顕在意識レベルの意志である場合があります。

残りの95%が英語に向いていなければ、学習が続かなかったり、非効率になったりすることがよくあります。

 

「どうせ自分は出来ない」という思い込みがある

人は、小さい頃から育つ過程で、色々な「思い込み」を植え付けられて大人になります。

その中に「自分は駄目だ」という思い込みがあると、最後の最後で力が発揮できなかったり、本番で何かミスをしてしまったりするようです。

「失敗したらどうしよう」「スコアが取れなかったらどうしよう」という焦りや不安が強いと、やはり力が発揮できないままになります。

 

第二言語習得研究という分野でも、「情意フィルター」という考え方があります。言語を学ぶ動機がきちんとあり、自己評価が高い人ほど習得が早くなる、という考え方です。

この心理的なあり方は英語とは関係ないことも多いので、これをリセットしていくことが、TOEICを含めた言語学習に役立つのではないかと考えています。

 

最後に:実は私も読むのが苦手!

今回の記事は、「スコアが伸びない人は何をやっても駄目だ」と言いたくて書いたのではありません。

実は、私も文を読むのが苦手です。

日本語でも英語でも、紙面に書いてある情報を読むには、途方もない集中力と、できる人よりもずっと長い時間がかかります。

おそらくそれが原因で、英語を教えることを生業としながら、TOEICで満点を取ることがどうしてもできません。

それが長い間、ずっとコンプレックスでした。

同業者にそういえば「言い訳」と思われるでしょうし、そんな自分に英語を習いたい人がいるだろうかという、心理的な悩みもありました。

でも、そんな私でも他に得意なことはあるし、自分がコンプレックスだらけだったからこそ、ここまで心理やディスレクシアに詳しくなりました。

本当に英語やTOEICだけが、そこまで大切でしょうか。

…と、大きな声で堂々と言える社会になって欲しいと思うし、英語に限らず何かが出来なくて辛い思いをしている人たちが、違うギフトを見つけられるような社会になって欲しいと思います。

この記事が、少しでも誰かの役に立てば幸いです。

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外山 周

外山 周

TOYAMA, Chika
長く英語業界に身を置き、10,000時間以上の指導経験とTOEIC400点アップ等の実績を持つ。が、上達のみを重視するやり方に疲れ独立。現在は「ゆるくキツく楽しい」をモットーに、心を重視して英語イベントや個人セッションを行なっている。
口癖は「英語は外国語だから、完璧じゃなくていい」。
将来の夢は心理カウンセラーと、算命学の鑑定資格を取ること、日本人向け「古典に親しむ会」を行うこと。
神道と日本語が大好き。好きな言葉は「国のため、人のため」。

★詳しいプロフィールはこちらからどうぞ!

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外山 周

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長く英語業界に身を置き、10,000時間以上の指導経験とTOEIC400点アップ等の実績を持つ。が、上達のみを重視するやり方に疲れ独立。現在は「ゆるくキツく楽しい」をモットーに、心を重視して英語イベントや個人セッションを行なっている。
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