外山周です!
英語の質問には「論理+心+日本語」で答えるのをモットーにしています。
ちょっと話せるのを「ペラペラです!」と言い切れることが 心 の要素だとしたら、
「前より話せるようになった!」を助けるのは 論理 の役目だと思っています。
今日はその「前より話せる」を助けるのに最も重要と言っても良い、第二言語習得論の「インプット仮説」を紹介したいと思います。
インプット仮説について
インプット仮説は、情意フィルター仮説を提唱した言語学者、クラッシェン氏が提唱しています。
学習者が理解可能な内容よりも少し高度な内容をインプットさせ続けることにより、第二言語習得の効率が高まる、という仮説です。
・インプット:読む / 聞く
・アウトプット:書く / 話す
となりますが、クラッシェンはアウトプット出来ることは言語習得の結果であり、習得にはインプットが必要なのだとしています。
つまり、話す練習は言語習得に有効ではなく、インプットし続けることによって言語が理解できるようになった結果話せるようになる、とも言えます。
アウトプットの必要性を否定し、インプットの重要性を提唱した仮説になります。
インプット仮説の限界
この仮説には限界も指摘されていて、批判もあります。
インプットのみになる例としては、「子供がずっとテレビだけ見て親とコミュニケーションを取らない場合、母国語の習得が遅れる」等が挙げられます。
インプット仮説に対して
・アウトプット仮説
・インタラクション仮説
等も別の言語学者によって提唱されており、現代の論理では「大量のインプットと少量のアウトプット」が最も効率が良いという論理が一般的です。
「分かる」と「話せる」の差
第二言語に関わらず母国語でも経験があると思いますが、「分かる」と「話せる」の差を自分で実感することは、その後の言語運用に重要です。
例えば私の場合、古事記や神道について誰かにお話を聞くと、
「あーその話ね、知ってる知ってるー」
と思いがちですが、いざ自分の言葉で誰かに説明しようとすると、「何だっけ・・・?」となって話せないこともしょっちゅうです。
昔から「何かを習得する時は、それを教えられる状態を目指してやりなさい」と言われます。
説明する(アウトプットする)ことを試みた時に初めて、自分の習得できていない部分が明らかになり、それによって次の方法を考えることができます。
第二言語においても、そのプロセスが大切です。
仮説は「心」のために使う
インプット仮説をまとめると、「毎日英語をインプットすることは習得の効率を上げる」になります。
ですが機械的にインプットをしても意味がなく、
「インプットを頑張ってるからきっと話せる」
と信じられることこそが重要になります。
アウトプットも同様で、闇雲にやっても効果がなく、
「通じなかった・・・次こそは!」
「通じた!やったー!」
と思えることこそが心理状態を良くし、結果的に英語の上達を早めます。
もちろん「これ以上上達しなくても助けてもらえばいいや」と思えるのも1つの手です(笑)。
後記
第二言語習得論には、色んな仮説があります。
1つ1つとても有用な仮説で、必ず言語習得(上達)を助けてくれます。
大事なことは上達を目的にしないことで、ちょっと上達して「わーやったー」を積み重ねることが、結局心を助けてくれるのだと意識することです。
あなたらしくいることが、いつだって1番なのですから^^

外山 周
幼い頃から思っていることを言えずに育ち、アメリカの大学をうつ病で中退。帰国後に就職して英語スクールの立ち上げで成功するも、燃え尽きて退職。その経験から心理セラピストを目指すが、その過程で婚約者と破局。そんな中でセラピーを極め、見えないものに敏感なことを活かして「癒える」と「言える」に寄り添うセッションを開始。恋愛セラピーが好評。
心理セッションと英語トレーニングを組み合わせた、独自の英語サポートも準備中。
★詳しいプロフィールと今後の活動展開はこちらからどうぞ!

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